日記

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20190807

最後にして最初のアイドル (ハヤカワ文庫JA)

最後にして最初のアイドル (ハヤカワ文庫JA)

 表題作が一番面白かった。「実存主義ワイドスクリーン百合バロックプロレタリアートアイドルハードSF」と自称しているらしいが、なるほど感がある。前島賢の解説でこの作品は最初ラブライブ!の二次創作として発表されたと知って、そういわれて思い返せばにこまきそのもので笑えた。そういうこともあるんだなぁ。

 2,3作目の『エヴォリューションがーるず』と『暗黒声優』も悪くはないけど、同じ濃いめの味付けで連続して来るとなかなか疲労感もある。特に暗黒声優はこういうスペースオペラあまり得意ではないんだよなと少し思った。単純に木星とかデカいガス型の惑星が怖い。宇宙怖いんだよな。

 あとはビジュアル的想像力が貧困なので、ロボットとかSF的生命体について具体的な描写をされても上手く想像できないという問題がある。今まで僕は描写をまともに読まないから頭の中にイメージが湧かないのだと思っていたけど(実際それもあるだろうけど)想像力がないという面もありそうだと思った。現実的な設定の作品に対しても、服装とか髪型とか容姿に対する語彙が豊富じゃないので言われてもよくわからないといえばそう。

 草野原々、美少女ものにハードSFとか軍事ものとかをくっつけたがる「悪いオタク」の極まった姿みたいに解説では言われていて、確かに言われてみればそんな感じなのかもしれない。嫌いではないけどそんなに好きでもない。僕はそういう悪さに関してはあまりない方だと思う。バッドエンドを考えがちとか不幸にさせたがりとかそういう悪さはあるかもしれないが……。