日記

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20190525

ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ ! (講談社ノベルス)

ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ ! (講談社ノベルス)

 タイトルから受ける第一印象に比べれば結構面白かった。一発ネタという感じも多少はしてしまうし、もう少しその症状をテーマに絡めて書けばトリックだけではない読み味が出そうにも思えたけど、これでも十分なところか。いやーしかし、これはタイトルがダメでしょうよ……。このタイトルからこの中身は想像できない。こういうことがあるからタイトルで切ってはいけなくなるわけで、それは確率的にはミスマッチを生むほうが大きくなりそうだしなんとかしてほしい。

 少し時間をおいて冷静に振り返ると、やっぱりそこまで絶賛できるものでもないなという気はした。トリックの核心部分の説得力と、後は複線の振りまき方、回収の仕方あたりのバランスかなぁ。超能力の話の組み込みがやっぱり一歩浅いんじゃないかという気もしたし、悪くはないんだけど……という感じか。

その他

 アルファオスっていう言い方がどの程度一般的な用語か知らないけど鼻持ちならない感じがよく出てる言葉だと思う。ヒエラルキー上位の快感というのはどうしてもあるもので、それをまるで無いかのように振る舞う手法を僕は知らない。結局僕も人と優劣を競うことが好きなので、だからこそ自分の勝てない土俵は嫌いになるのだと思う。社会性を競うゲームや札束で殴るゲームは厳しい。ペーパーテストで点を取るとか、プログラミングとか、将棋ソフトを作るとかの方が(自分の中で相対的に)まだ得意な方だろう。結局これらにはフロー性があるとは思うのでどちらが好きとか明確に分けられるものでもないのかもしれない。それにヒエラルキー上位が必ずしもリーダー(先導者)的な立ち位置、振る舞いになるのかどうかもわからない。「自分が決定権を握っている」的な快感はピンとこないかもしれない。僕は明らかに決断は苦手なタイプなので。

 上のはプレイする側の視点で、(ゲームを一つも作ったことがないのに尊大な話だけど)作る側の視点に立つとしたら、ソーシャルゲームコンシューマゲームの方に向いている性格なんだろうなと思う。プロモーションとかを他人にやってもらえるならそれに越したことはない。ビジネス感覚とかそういったものは恐らく鈍い方なんじゃないかと思う。そうはいっても

しかし、今後はいずれの開発者であっても、アルファゲームとフローゲームの融合が求められており、相手の価値観を理解することが成功への鍵となるだろう。

などと書かれているし、それは正しそうだとも思うので、あまり二項対立的に考えすぎない方がいいんだろうが。