日記

日記です

20190720

 昨日の人気投票について考えていたんだけど、1回全員の持ち点を配分した後、得た点を持ち点としてもう一度やるというのは自然な気がする。となるとn人の人間がいて持ち点が最初 \boldsymbol{x}_0 = [ x_1, x_2, \dots, x_n ] ^{\mathrm{T}} だったとき、(n\times n)の行列A

$$ A_{ij} := j番目の人がi番目の人へ持ち点を配分する割合 $$

として定めれば、1回の試行は単に

$$ \boldsymbol{x}_{t+1} = A \boldsymbol{x}_t $$

となるだけだなぁと思った。だから行列の累乗A^mを計算すれば収束するかどうかが議論できそう。収束するときって\boldsymbol{x}_{t+1} = \boldsymbol{x}_tだからもろに固有ベクトルだよな。固有値が1の固有ベクトルを持つことが条件なのかな? でもそういう固有ベクトルが複数あったときどれに収束するかは初期値に依存? 線形代数なんもわからん。

 で、現実世界にあるものでこれに一番近いのは貨幣(資本)だと思う。命の軽重という話題が貨幣に帰着してきてオッという感じだけど、僕は貨幣の価値尺度機能を結構強く信じている方なので……。現実的にはこんな綺麗に回らないだろうし、「あなたの命の価値とは預金残高です」という主張ではない(それを真顔で言える人間がいたらそれはそれで面白くて「やるね~」と思ってしまいそう)。

 まぁなんというか貨幣って結構面白い発明だなと思っていて、これが今後電子マネーとかで抽象化されていくとなんだかよくわからないポイントを送ったり貰ったりしてこれが価値なのだ~ということになりそうで愉快。

小説

小説 天気の子 (角川文庫)

小説 天気の子 (角川文庫)

 かなり直線的に来たなという印象。自己肯定感が強すぎないか。強すぎるというか素直すぎるというか。たとえば『秒速〜』とかだともっとねじ曲がった混沌とした自己肯定感というものがあった気はするんだが。こんな綺麗に開き直れる? 僕にはわからない。映画観てないけど、これはどちらかというとそっちで観たほうが良い作品なのではないかと感じた。

夢と魔法の国のリドル (新潮文庫nex)

夢と魔法の国のリドル (新潮文庫nex)

 ひねりにひねっていてミステリっぽさは強いけどそれで面白いかというとちょっと断言しきれない部分もあるかも。アナグラムってそんなに興味惹かれない。

 面白い超能力ミステリだった。やっぱり単にミステリやられるよりもこういうタイプの方が好みなんだろうな。このギミックをしっかり練り上げられるのは本当にすごい。やや文章が淡泊に感じるところはあって、クライマックスのシーンとかでもう一段ぐわっと盛り上がってきたら満点だったとは思う。でもこれは感じ方の問題であって最近ちょっと僕の方が何読んでも淡泊と感じがちみたいなところはあるかもしれない。

 しかし河野裕は本当に可愛い子にひどいことさせるね。あのキャラクターの役割がサクラダリセットでいうとあのキャラクターなので……という感じに思えてしまった。エピローグがやや蛇足気味、というか流石にそのきつい役割を背負わせたキャラクターをもう少しフォローした方が良いんじゃないかとも思ったけど、まぁそんなもんなのかな。