日記

日記です

20190629

 研究室に行ったけど一切作業はしなかった。本を読んで終わり。そういう日もある。

小説

アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー (ハヤカワ文庫JA)

アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー (ハヤカワ文庫JA)

 百合SFアンソロジーだそうで、どちらのジャンルにも強い興味があるわけではないがとりあえず気になってものは全部読んでみようという時期。作品前に作者の紹介があるのが面白く、強制的に作者を意識させられている感じがした。

 宮澤伊織『キミノスケープ』:時々名前は見かけて、インタビュー記事かなんかは読んだ記憶があるけど作品を読んだことはない作者。二人称小説っておしゃれ感が出て強い。やはり文章に読ませる力はかなりありそう。はっきりしない感じも少しはあって好みの作風かどうかは微妙なところだけど面白かった。

 森田季節『四十九日恋文』:うーん、少し過剰演出感があるような気がしないでもない。設定に説得力がないと作られた感傷みたいな感じになってしまうのが難しいところか。

 今井哲也『ピロウトーク』:『ハックス!』の人か。あれもなかなか特殊な作品だったが面白かった記憶はある。そして小説も書くのかなと思ったら普通に漫画が始まってウケた。作品への言及として(違う作者の)作品に似てるみたいな言い方はしたくないんだけど、ニッケルオデオンみたいな雰囲気はやや感じた。つまり好み。

 草野原々『幽世知能』:読んでないけど読もうかと思ったことはある『最後にして最初のアイドル』の作者。これはすごいな。パワーがある。専門用語を使ったポエムは苦手だなとは思ったけれど、単に言葉を使っているというわけではなさそう。

 伴名練『彼岸花』:この作者は知らなかったけど、これも良い作品だった。SFなのか? という気はしたけど、読ませる文体と構成でいかにも百合といった物語を展開すればそれはもう満点です。

 南木義隆『月と怪物』:これが噂に聞くソ連百合か。好みの作風ではないけど、しかし面白かった。なるほど確かに上手い文章だなぁ。円居挽が変なこと言うのもわかる気がする。

 櫻木みや,麦原遼『海の双翼』:ちょっとわかりづらかった。

 陸秋槎『色のない緑』:翻訳ものまで来るとは。百合要素はかなり薄いがきっちりSFをやっていっているし、最近のSFは当たり前のようにニューラルネットワークの話をしだすのだなぁと思った。ディープラーニングの次でマリアナラーニングというの笑えるけど、実際そういう名前をつける論文もありそう。参考文献に挙げられてた書籍は全て研究室にある本だった。ある種のAI危機についての話なんだけど、こういうのはまぁ現実の推移を見守りましょうかねという気持ちになる。

 小川一水『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』:さすが小川一水という感じだった。これだけSF全開の設定でしっかり百合をしつつ物語として魅せてくるとは。キャラクター作りがまず良いのかな。僕があまりおねロリ系に触れたことがないのも新鮮さに作用している気はするが。口語的なセリフの入れ方も上手くて、これが力のある作家なのだなぁ。

 そういえば天冥の標は途中で放置したままだ。完結したらしいのでどこかで読むタイミングを作りたいが、結構忘れているので読むとしたらまた最初からだろうし、長い(全17巻!)ので気合を入れなければならない。でも今回のこれが良かったのでモチベーションが少し高まった。なにかのきっかけでもう一段階モチベーションが上がれば読み始められそう。

競プロ

 merom686さんが黄色くなってしまわれた。一時期レート100差くらいまで行ってたんだけど今はまた200近く開いていて、やっぱりまだまだ1枚2枚差がある感じだなぁ。Girigiriの人も黄色になっていたし、取り残されていく。厳しいなぁ。