読書
- 作者:ジュリオ・トノーニ,マルチェッロ・マッスィミーニ
- 発売日: 2016/06/10
- メディア: Kindle版
5年ぶりの再読。以前読んだときはあまりピンとこなかったけど、今回読むと結構刺激的なことを言っているなと思った。情報量と統合量のバランスが大事という意味でなんか結論としては要はバランスになってしまうわけだけど、それについてちゃんと定量化手法を考えて装置も実装してというのが大変にすごいわけで、こういう研究をこそしたいものだと思ったり。
今のニューラルネットワークに不満な点も、やっぱり一つは「意識」的なものがないというのがあるはずで、僕は記憶の問題かなーとか思っていたが、(時間的な経過を考えるという意味ではやはり記憶的なものではあるが)こういう考え方の方が適切な気はする。記憶だけならハードディスクでもできるが、ハードディスクに意識があるとも思えないのはそうなので。
ニューラルネットワークとハードディスクの中間を上手く作れるだろうか。この理論から考えれば、人工知能が意識を持つことだってあり得るという定義になる(そもそも意識自体が連続的な指標になるので)。そうなるとやっぱり人工知能の権利という問題は避けられないのかなーなどとも。人間と同等の意識を持つと認めつつ、それを奴隷のように扱うことは難しそう。
そもそも人権だって、意識レベルに応じたものに成りかねないのか。あなたの情報統合量は50なのでこれこれの権利までしか認められませんみたいなことに。まぁそれはやや極端だが、たとえば脳死判定をこの量で行えばそれが生きる権利そのものに直結するわけだから、部分的には生じる問題かもしれない。
指標はハックされるというのが必然の理なので、情報統合量トレーニングセンターとか、あるいはそういうものをもとにした詐欺とか、そういうものも生まれるんだろうか。IQとかレートじゃあるまいし、まともに振る舞える人間の中で差ができるような指標ではないかもしれないけど。
本の中で具体的な指標の計算方法は書いてなかったが、有志の記事があった。うーん、ちらっと眺めた感じではなかなかややこしそう。
その他
この欄にちょこちょこ書いていたが結局消した。愚痴っぽいのは減らしたいね。