日記

日記です

20190227

 今日は研究室の大掃除。席が変わって完全なる孤立状態から普通くらいの孤立状態になった。相変わらず両サイドは共有パソコンという名の計算資源にできたのでできるだけ独占していくつもりだが。

 研修の準備を全然していないのかなりまずい気がしている。やらねば……。

作品に対する一元的評価

 作品に対して点数を付けることに対する忌避感の理由について考えていたところ、大きく二つのものが思い浮かんだ。まず一つには、数値化するとまるで客観的な評価であるかのような印象が出てしまうと思っているからだ。僕の感想は僕に固有のものであり、作品に対する一般的な言及ではない。僕は僕の文脈で読まれてこそ意味のある感想しか書きたくないしが、数値にして出すとそれだけを取り上げて見ることができてしまう気がする。しかしこの理由は多少弱いとは思っていて、主観的な個人の感覚を数値化するという話それ自体はおかしい話ではないはずだ。だからこれは単純に僕の好みの問題であって、必要であれば(直すメリットが大きければ)直すべきものだと感じる。

 本命である二つ目の理由は、作品を一元的な数値に落とし込むことが本当に可能なことなのか自信が持てないことである。僕が特に感じるのは恋愛ものとそれ以外とでは比較が非常に困難であるということだ。より敷衍して言えば前者は心理描写もの、後者はどんでん返しもの、となるだろうか。個人的な感覚では文学はおおむね前者に入っていくし、ミステリは後者に含まれる。以前考えた、人間を描きたいかそうでないか、という区分とも一致するかもしれない。前者と後者では鑑賞態度からして異なるものと僕は思っているし、そういうものを無理やり同じ俎上に載せて優劣をつける行為が良い効果をもたらすのかどうかがわからない。

 ……これがやがて君になると異セカイ系を比較して論ぜよという問題への解答になっているだろうか。一応弁明しておくと、仮に10点満点で点数付けをするならば僕はどちらにも同じ点数、それも高い点数を与えるかなというのが今のところの印象である。評価基準を示さないままに点数のみを述べたところで何の参考にもならないはずなので点数自体は述べないが、どちらも相応に良い作品であり、そしてそれぞれ評価軸がかなり異なると思っていることが伝わってくれればよい。

20190226

 午前中は大学院に入学する手続きとして写真を撮ったり振込を済ませたり。銀行行って暗証番号ポチポチしただけで100万以上の金が口座から消えたのだなぁと思うと少し不思議な気持ちにならないでもない。

 研究室へ行ってPERの結果を見ると完全にダメになっていた。まぁそう簡単にはいきませんか。しかし方針をどうしようか少し悩む。PERに可能性は感じるんだけどそこに突っ込んでいって良いものか……。いやそうはいってもやるしかない気はするが。

 は? 正気か? このクオリティのものがメフィスト賞受賞作品として火蛾と肩を並べているの意味不明。あんまりこういうこと言いたかないけどこれは駄作でしょ……。

その他

  • 科学と修行について少し考えていていくらか下書きもしてみたけどまとまらなかった。
  • やがて君になる、質が高い作品だと思うし面白いとも思っているけどどこかクリティカルに刺さってはこないと感じる部分もある。どうしてでしょうね。そういうのを上手く言語化していければいいなと思っているが。
  • Twitterをもっとちゃんとやる(ツイート数を増やす)か? と思ったり、まぁどうでもいいやと思ったり。上のとか、呟くかこっちで書くかは迷うところなんですが……。
  • 花粉症が厳しく、思考ができない。
  • 明日から大掃除で3月には新B4に対する研修が始まる。悠々自適生活はもう終わりかぁ……。
  • 2月は100点満点中50点くらいでしたね。これでも甘いかもしれない。
  • 良い/悪いの2元的評価をやめろという気分に一瞬なったが、点数付けみたいなのは趣味じゃない。本の感想とかで星4とか言うのすら好きじゃない。なんなんだろうねこれは。
  • 雑談のネタをここに書いてしまうので「ここに書いたし話す必要ないな……」と思って口を開かなくなる。
  • やっぱTwitterアカウント復活させるべきではという気持ちになった。本当に精神が不安定。考えていることが日々変わる。軸を作りたい。日記です。

20190225

 PERのバグを取り切って動かし始めた。パッと見は悪くなさそうな挙動だが。

 研究室でも学習待ちという名目で本読んでる時間が長くなっている。ちょっとは論文を読んだらどうなんだい。

 帰ってからはKH3。裏ボスも倒してあとやるならトロフィーコンプリート。84%というなんとも微妙なところで、数字上は行けそうな気がするけどダルいのが1個残ってたらもう駄目だしなぁ。まぁでもやるか……。この作業何が楽しいんでしょうかね。僕もわからない。

火蛾 (講談社ノベルス)

火蛾 (講談社ノベルス)

 相変わらずメフィスト賞読んでんのかよって感じだけど、これは面白かった。謎解きが話の根幹に関わるという僕が好きなタイプの作品。宗教、特にこの作品で扱われるイスラム教とかについては全然詳しくないんだけど作中で十分に解説がされているので特に困るということはなかった。構成も文体も質が高い。もっと早くに名前を聞いていてもおかしくないくらいの傑作だと思うけど、著者が(少なくともこの名前では)これ以外の作品を著していないのが影響しているのかな。

 作品の内容とどこまで関係するかわからないけど、以下は宗教の話。僕は自分を含め信仰を持たないまま生きていける人間の気持ちがよくわからないんですよね。そういう人たちは何を心の支えに生きているんだろうか。日々の楽しさ? それは結構なことだ。ならば今が楽しい人は除外して、「楽しくもないが信仰を持たない人」がどうやって生きているのかということ。

 楽しく無さ、現実に対する不満、虚無感ゆえに、それ以外の道を探さなければならないという意識になる。いくらかの宗教において戒律が大変に厳しいのも少し気持ちがわかってしまうような気がする。どれだけ貧しく世俗的な欲求から離れた生活だとしても、全くの虚無よりは遥かに良い。修行それ自体に僕は意味を見いだせるとは思えないんだけど、たとえば学問を修めていくということならどうか。修行者も同じ気持ちなのかな。目標に達することというかその過程自体が目標となるような。

 「科学と宗教って同じだ」などという言説は正直好きではないし、細部を無視したこじつけだと思うところもあるけど、僕の科学に対する態度それ自体は信仰に近いのかもしれないと思うことはある。能力的な話として僕自身が科学を進める、貢献することなんてほとんどできないわけだから、科学が人類を幸福にするとしても僕自身が科学をやる理由にはならないはずなんだ。しかしやっている。それをやっていけば何かしらが開かれるという感覚。イメージとしては修行を含む宗教に近くて、それはこの作品で描かれるものと部分的に一致するような気もする。宗教関係についてあまり雑な言及はしたくないけど。

 実際のところ科学というか学問をやっていれば現実的に飯の種になりそうというのも大きいとは思う。宗教をやっていてもあまり稼げる気はしないが、機械学習とプログラミングをやっていればなんだかんだ就職はできるだろうという話。そういう目先のことばかり考えているから信仰ないままに生きるということになってしまっているのかもしれないけど。そんな生き方をしているうち科学を信仰と取り違えて生活すら破綻してしまうというのは、嫌な想像ですね。

20190224

 今日は研究室に行かなかった。一週間に一回は行かない日ができてしまっているなぁ。良いことなのか悪いことなのかはわからないが。

 午前中はずっと寝ていて午後は久しぶりにKH3をやる。レベルカンストまでは上げて宝箱等も回収し終えて、さてどうするか。ゆっくりでもやっていくかー。

 夜は競技プログラミング。ABCの気楽さが良いね。

漫画

 ここまで進んできて、話の方向性は好きなんだけどいくらか気になるところはある。もっとドメスティックにやれば好みなのかとか考えていたけど、むしろ情報の提示する順番とか程度の問題なのかもしれない。たとえば城平京が同じような話をやるとしたら確実に情報の出し方が違うだろうなぁと思う。しかし最後まで読み切らないうちに何か言ってしまうのあまり良くないことも思えてきた。明日一気に読んでしまおうか。

その他

 心理描写は嘘がつきにくいのかもしれない。誤解に基づいて何かを思うことはあっても、思ったことを描写する独白それ自体が嘘というとそれはかなり独白を読む対象、つまり読者を意識したものにならざるを得ないし、メタフィクション的な仕掛けを用意しない限りあまり気軽にできるものではなさそう。心理描写を使った時点で、少なくともそのキャラクターだけでは仕掛けが作れないことになってしまう。

 仕掛け、転倒を入れたがるかそうでないかは創作観の根本的な違いなのかなぁ。ストーリーとプロットという言葉をもっと上手く使い分けられればこのあたりも語れるのかもしれないが。

20190223

 11時頃に研究室へ行ったが本当にやる気が出なくてどうしようもなかった。

 帰る直前で少しだけやる気出てセグメント木を完成させた。これでどうかな~。

海と毒薬 (角川文庫)

海と毒薬 (角川文庫)

 ストーリー的には何も起こらない作品。いかにも(僕の思っている)文学というやつだ。

 『テーマは「神なき日本人の罪意識」』ね、ふぅん。そういうふうにまとめてしまうんだ。あまり国民性みたいなものは信じていないんだけど、信仰するものがあるかどうかは大きな分かれ目ではあると思う。でも信仰は、やはり一度体験してみなければわからないものなんじゃないかという気もしていて、つまりそこについて何かを語る方法がさっぱりわからない。

 本についての感想と言っても、あまり何も感じないというのが正直なところである。良心の呵責ね、そう。まぁ人それぞれそれなりな量を感じればいいんじゃないかなとか。人体実験もね、別にそれが当然のようなムードの中で生きていれば当然だろうと思う。逆に今のような社会はそれを非難するムードを持っていると思うので、今僕自身が問われたら否定的なことを口にするんだろう。そのムード自体が正しいかどうか、あるいは僕のムードの読み方が正しいかどうかはあまりよくわからないし、興味も持てない。失敗したら罪に問われるのかもしれないが、それで?

 以前はかなり文学が嫌いだったけど、今は本格ミステリよりは好きくらいになっているかもしれない。でもやはり痛快さがないと思ってしまうんだよな。良い話が刺身で提供されているように思える。仕掛けがない説教は風に流れて消えていくだけじゃない?

 文学は人間を描きたいのかな。だとすれば僕の興味とはズレていると思う。僕は人間ではなく虚構が見たい。美しく彩られた虚構が!

20190222

 電子書籍リーダーアプリの整理をしていた。別にこうしてみると紀伊国屋のが使いやすいということもないな……。

 iPadの容量が足りなくなっているのも関係しているのか、かなり頻繁に落ちるようになっている。流石に新しいもの買わなきゃダメかなぁと思うんだけど、何か致命的な動作不良が起きるまでは使えてるしなぁとも思ってしまう。

 昼間は賃貸借契約の更新。親がやってきてなんやかんやでかなり不機嫌になってしまった。その後研究室に戻ってからも疲労感があり、あまり進まず。

 最後に回していた実験結果を見てみたら意外と良さそうだった。少し元気出た。

ハーモニー

 そういえば気になるところとして双曲的な割引は非合理で指数的な割引は合理みたいな記述があったんだった。もしかしたら読み間違えかもしれない。それとも僕が詳しくないだけである分野では常識だったりするんだろうか。

 と思ったらこんな話もあったりね。よくわからないね。

漫画

 ほーうなるほどそこを伏線としたんですか。パーフェクト・ワールドという言葉が好きなんだけど、これは何かみんな元ネタとして念頭に置いているものがあるんだろうか。僕は特に悪魔のミカタの印象が強いんだけど。

その他

 疲労感。なめくじです。

20190221

 期待していたGPU2枚挿しマシンはCPUが古くてPEXTが動かせないという事実の判明により(僕にとっては)鉄塊になった。

 仕方がないので1GPUで学習と自己対局を交互に行うというやり方にしているんだけど、明らかに自己対局の時間を長くした方が良い学習になる結果が出ている。それはつまり時間をかけた方が、あるいはたくさんの計算資源を用意した方が良いということで……。

 まぁこんなことはやる前からわかっていたんですよ。そこをなんやかんややっていくわけです。明日から。

ハーモニー

 昨日のハーモニーの読書体験めちゃくちゃ良かったなぁ。内容をかなり忘れていたのが効いたのかもしれない。読書メーターによると以前読んだのは3年半前と4年前らしいが、それを長いと見るか短いと見るか。

 内容と関係ない部分としては「ニューラルネット」という言葉がいくらか目についたのが印象的だった。3年半前にはこういう単語が使われていたなんてさっぱり気にも留めていなかったのに、多少知識ある今となってはむしろ引っかかってしまうくらい。嘘と誇張を盛大に振りかければ僕も一応ニューラルネットワークを専門にしている……と言えるのだろうか。3年半前というとちょうど進む学科を決めるタイミングで、結局僕は無理やり情報工学科にねじ込んでもらったわけだけど、そういう選択に全く影響がなかったかというとさぁどうでしょうね。

 内容としては、前半でどこまで子供たちに強く共感してしまうかによって読みが結構変わる気がする。子供たちはあの世界をディストピアと捉えていて、その気持ちは十分わかる。主観的な文章で示される嫌悪感の一方で、しかし発達する技術それそのものに対しては実はそこまで否定的に書かれているわけではない。だから文明に対する反発ではなく、さらなる高い技術による超克という展開になっていくわけだ。技術が高すぎて、文明が発達しすぎてディストピアが生まれるんじゃなくて、むしろ技術が足りないから救われない人が生まれるんだという話。こう書くとずいぶん科学至上主義的な印象にもなってしまうけど……。

 科学至上主義といっても科学に神秘性があるというわけではなくて、やはりパワーなんだと思うな。科学はパワーを生み出すための手段でしかない。手っ取り早く大きなパワーを生み出すための。伊藤計劃の描くよくわからない科学—虐殺の文法だとかWatchMeだとか—が原理がどうのこうのよりもそれが実際に引き起こす影響の側面にこそ重要な部分があって、そういうところは好感が持てるなと思う。まぁ結局僕も工学科の人間ですしね。

 読んだけど、まぁミステリですねという感じ。あまりこういう気分でなかったな。Not for me というやつです。

 自分から読んでおいてそれはないだろという気もするし、うーん、メフィスト賞読みちょっとやめようかな。少なくとも馬鹿みたいに全部読んでいく必要はないかもしれない。

漫画

 こういう視点のズレは隠しておいた方が面白かったりするんじゃないかという気もする。

 あれだね、漫画で1巻ごとにコメント残すのってなんか話の途中とかにもなるからバランス悪いね。

その他

 Twitterは結局朝起きてすぐまたアカウントを削除した。もうね、いい加減本当に消しましょう。あのアカウントは役目を終えたよ。今度こそ本当に消すぞ!