日記

日記です

20200223

 今日は演劇を観に行った。

 端的に言って僕好みのものだった。物語に呪われた人間のお話。そこには演劇というものについてのメタ語りもあり、演劇というものが、きっと演じる瞬間だけではなくてそれを構築している時間も物語であるという意味で二重性を持っているんだろうと感じた。物語を構築するという意味で、これは演劇で行われるのに相応しいテーマだった。

 僕の興味に引き寄せてある種の究極化をすると物語を取るか(良い)人生を比較する構造でもあったと思う。そして当然、その二択では基本的に前者に焦点があてられるんだよね(そうでなければこれが主題にはならないだろう)。それの描き方にややひねりがあってよかったな。やっぱり僕は素直じゃないのでああいうひねりとともにテーマ性を流し込まれないと拒絶してしまうようなところがあるのだろう。

 僕が物語に対する執着を賞賛するのは、しかしただ自分を正当化したいという気持ちがあるからかもしれない。僕は良い人生と物語を天秤にかけたわけじゃなくて片方が根本的に選択肢になかっただけだろうに。でも自由意志という視点を排除するならば、選べなかったのと選ばなかったのは同じことなんだよな。

 たまたま同じような性質を持ってしまった人へ、何かしらの仲間意識を持ってしまうことを悪いことだなんて言わないでおくれ。それは偶然であり、運命であり、ただそうであるというだけなのだ。宝くじに当たった人は喜べば良いんだよ。余計な後ろめたさを感じる必要はない。

 でも一つ反省することとしては、感想に「僕らの物語に対する執着」とか書いてしまったことで、一文字たりとも書けない僕自身を同類に含めるだなんて傲慢がすぎる行為だったな。そこは反省している。前回もそうだったけど、観劇した直後に書く感想はどうしても筆が滑ってしまうところがある。

 僕ももう一度戦いたいね。体調不良とかいろいろあったけど、僕は僕なりの戦いを、まだ諦めたくない。これこそが僕の運動です。