日記

日記です

20190706

 正統派百合漫画という印象。演出の具合とかがあまり好みではなかったかな。

 佐伯沙弥香というキャラクタが好きなので面白く読めてしまう。こういう自分の行動を自分で縛って、そのことに対して後悔と満足が入り混じった感情を向けるタイプの性格が好みなわけだ。こういうのが行き過ぎると「負けヒロイン好き」みたいないささか邪悪性を感じる向きになってしまうので気を付けていきたいところだが。しかしそういう属性だから好きになる、条件付けを明確にして好きになるということは、本来そうあるべきものなんじゃないかとも感じる。それを生身の人間に対してやると良くないことにも思えるが、その倫理を勝手に内面化しすぎる必要性だってあるのかはわからないわけで。虚構キャラクターに対しては虚構キャラクターに対してなりのやり方で好きになって良いはずだ。

 3作目も出るらしいがさすがにそれは蛇足ではないのかな。きっと買ってしまうだろうけど、それが物語的に良いことなのか自信が持てない。

 面白い。できればアニメを見ずに最初っからこっちを読んでいた方が良かったな。やはりビジュアル・声のイメージにいくらか引っ張られてしまうと感じるところがある。方言も質感を出すことに貢献していると思えて、アニメでそのままやるのは難しいんだろうけどこちらの方が好き、かなぁ。

 面白いんだけど、一つの巻として見たときのテーマ的なまとまりはもう少し良くできたのではないかと感じるところもある。たとえばここまで見た限りだと主人公周りの1年生組の立ち位置・役割というものがちょっと弱めな気がする。出てくるキャラクター、起こる出来事は全てテーマを語る要素になっていないといけないというのは僕の勝手な考えだから、これが作品自体の客観的な質に関係する話ではないけれども。

 1巻の山のシーンは秀逸。「特別になりたい」という話をここまで純粋にやれるのは素晴らしいことだ。パワーは正義、そういう考え方は好き。

 2巻では最後の演奏シーンが良かったか。「本番」みたいな概念があるものに対して多少嫌悪感が出るようになってきつつもあるんだけど、そういう緊張感がある意味でやはり楽しいということも理解できなくはない。年齢を重ねるとそういうものを体験しにくくなっている気もするが、それは僕の振る舞いが悪いだけの話か。

 そうはいっても団体競技は嫌だなぁと思ってしまうところも強い。あと点数が明確につけられない競技という点も。僕なんかはもうかなり優劣が明確な個人競技志向になってきていて、なにかやると言ったら競技プログラミングか将棋かということになってしまう。コンピュータ将棋は、どこまで競技的なものかというと微妙なところもあるかなとは思っているが。プライドをかけた勝負の場にできるだけ近い状態でありたい。そのためにどうすればいいか、もう少し真剣に考えなければいけない気がする。

その他

 身体の維持に食事が必要なように、精神の維持に物語が必要。しかし本を買っているとお金と時間がなくなるのも確かで、無制限に摂取していくわけにもいかない。生き方をちゃんと考えなければなぁ。