日記

日記です

20190414

 一日家に引きこもっていた。

漫画

 あー1518!が終わってしまった! そうかここで完結させるのか。いや良い終わり方だったと思う。ひょっとすると「これ以上ない」と言ってしまえるくらいのタイミングかもしれない。愛着もあるだろうに、ここでしっかり切れるのは漫画家の手腕だなぁ。素晴らしいの一言。

 1518!はとても良い作品だけど、だからこそ自分に引きつけて読むと精神が壊れてしまう。価値観が対立してしまう。だからこれは外側からそっと眺めるような鑑賞の仕方をしなければだめだ。相対化して、そういうこともあるよねと捉えないと、あまりにも悲しすぎる。

 作品鑑賞に作者の背景とか、あるいは読者の背景が影響してしまうことについて、僕は自由であると思いたい。そういうものを考慮した方が面白くなるなら考慮すればいいし、考慮しない方が面白いならそうする。この作品の場合は、僕の事情を入れると体験が濁る。だから考えない。そういう方針でいきたい。

 「良い終わり」を作れるから作家は偉大だ。それに触れられて良かった。

春とみどり(1) (メテオCOMICS)

春とみどり(1) (メテオCOMICS)

 なんかそれらしい話で、皮肉的な意味合いを抜きに良い話っぽい。ちょうどこういうのを読みたいなと思っているところでまさにマッチしたものを読めたという感じ。しかし言及は難しいなぁ。

君のくれるまずい飴 冬虫カイコ作品集 (ビームコミックス)

君のくれるまずい飴 冬虫カイコ作品集 (ビームコミックス)

 わーまたこれはダークな短編集だことで。蝶になる話が良かったかな。踏みにじられる感じが。

ライトノベル

利他的なマリー (電撃文庫)

利他的なマリー (電撃文庫)

 いかにも御影瑛路っぽい感じで大変良かった。この世の特定の性質を誇張した世界でそれが重なるテーマを奏でていくのがライトノベルに期待するものだし、まさにそれはこういう書き方ということになる。出来事でキャラクターを傷つけにいくのもあってプロット的な見せ場も十分。しかし多少文章表現による味は薄いよなとは思う。

 願い方、考え方を間違えた人間がしかし圧倒的な力によって救われてしまう話は明らかに好き。気軽にキャラクター(特にヒロイン)を象徴化して人間でないものにしがちなあたりも良い。御影瑛路は『空ろの箱と零のマリア』でも近い類型の話をやっていたと思うし、そこらへん気が合うのだろうな。

演技と演出 (講談社現代新書)

演技と演出 (講談社現代新書)

 「演出」ってどういう意味の言葉なんだろうなと思って適当に検索して出てきた本を買って読んでみた。なかなか重要なことが書かれているような気がするが、一回目を通しただけではなかなか。複雑系をそのまま考えるみたいなのは現代科学的だと思うし、自分の身体を思ったよりも意識的に制御していないというのは本当にそうなんだろうなぁ。僕は理性重視が過ぎる(だから自由意志の無さとかが重大な問題に感じてしまう)とは少し思っているんだけど、こういう体験を上手くしてこれなかったという面も大きいのかなぁ。

 演出、演劇の力を崇高なものとせず「まぁこんなもんだよね」くらいの落ち着いた目で見ているような文体だったので読みやすかった。もうちょいこの人の本読んでみようか。

その他

 今日みたいな日が僕の能力、性格から得られる精一杯の幸福な日なんだろうな。