日記

日記です

20191103

 研究室には行ったけど実験回すくらいでほぼずっと本読んですごしていた。

小説

その白さえ嘘だとしても (新潮文庫nex)

その白さえ嘘だとしても (新潮文庫nex)

 とうとう階段島シリーズを読む覚悟ができた。まず2作目。完成度は高いし好きなんだけど『いなくなれ、群青』には一枚劣るよなぁという気がする。しかしここでわりと重要な情報が明かされているので必要な巻といえばそうなのか。

汚れた赤を恋と呼ぶんだ (新潮文庫nex)

汚れた赤を恋と呼ぶんだ (新潮文庫nex)

 いやぁすごい。ここで愛と信仰の話になっていくのが非常に強い。外部的に話が進行しているところももちろんあるんだけど、それよりもひたすらに内向きな描写が多くて気合の入りようがすごい。理想と妥協の話を一つの物語に混在させるとこうなるのだなぁ。

凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)

凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)

 信仰の対立だ。一つ前の巻と見事に対比される。設定そのものがそうなんだから当たり前ではあるんだけど、そのように当然の進行をやれるのは本当に強い。

夜空の呪いに色はない (新潮文庫nex)

夜空の呪いに色はない (新潮文庫nex)

 ここまで再読。やべー、本当に自問自答をそのまま書いちゃってるよ。すげー、成長に関してこういう書き方ができるなんて。

 ある意味で擬似家族ものでもあるんだよなぁ。家族概念は好きじゃないけど擬似家族は好きかもしれない。

きみの世界に、青が鳴る (新潮文庫nex)

きみの世界に、青が鳴る (新潮文庫nex)

 初見。あー、しかし抽象ひねりまくって飛んでいった。河野裕ややこういうところはあるよな。最後の仕掛け部分とか全く嫌いではないけど、そこに力点が置かれている感じがあんまりなくて、終盤でツイストよりも筆の勢いが重視されているかのような。んー、一気読みしたからか少しくどいという印象もあって、それが河野裕っぽいけど華やかさに欠けると思ってしまうところはあったな。仕掛けと驚きがないとどうしても説教臭くなってしまうところがあって、アイデアとしてはこの線で良かったのだからあとは書き方が……とは思うが、まぁこういうのが河野裕の好みなんだろうなぁ。

 これで一応完結として見て良いのかな? シリーズ全体として見たときの評価はサクラダリセットの方が上になってしまうかもしれない。なぜならやっぱり最終巻の印象的なシーンの構成度が違うから。その意味ではシリーズ内では『いなくなれ、群青』が一番強かったな。やっぱりこれシリーズ化する必要がなかったんじゃないかなぁ。「いなくなれ、群青≧サクラダリセット>階段島シリーズ」という感じの評価にとりあえずしておきたいところ。

 なんか河野裕について調べてたら新シリーズ始まってた。もう2巻まで出てるし。全然知らなかった。とりあえず買うだけ買って、読むのはまた少し後にしようかな。

その他

 10時間以上ぶっ続けで小説の世界に浸ったせいか、帰り道ではなかなか現実に戻れた感じがしなかった。というか今もきちんと戻れてはいないかもしれない。なんだろうなぁ、現実に対する失望感がある。人生こんなものか、という感覚。もう少し楽しくやれるものと思っていたけど。精神的にきつくなっており今は完全にTwitterとかYouTubeも見れてなくて、とにかく時事ネタ・リアルタイム性に近づきたくないという気持ちが強い。小説とか漫画を読むだけの生活がこれからどれだけ続けられるかはよくわからない。すぐ精神が保たなくなる気もするし、意外と続くのかもしれない。しかしそれにしても楽しくて仕方がないような生活ではない。寝て起きればまた別の気持ちになっているかな。