今日は少しだけ論文が書けたので良い日だった。それ以外は何もできなかったので悪い日だった。
本
ファスト&スローを頑張って読み進めようとするがこれがなかなか。心理学の実験例題として「こう思いますよね?」と振られると「は?」となってしまう人間なので。完全に僕の性格が良くないだけの話で、内容が悪いとかいう問題ではない。ミステリの形式でやってくれれば読めるだろうなぁと思ったりした。
でもちょっとだけ言うと本文で取り上げられているマシュマロ・テストとか再現できなかったという話もあるし、心理学の実験っていまいち信用できないという意識が僕の中にあるというのもそう。それを言ったらでぃ~ぷら~にんぐ界隈のそれも結構怪しいところはあるわけだけど……。
じんこーちのー
上のスライドがいくらか面白かった。
自己同一性の認識(pp.19-)について脳全体を俯瞰的に監視するニューロンがあるらしいというのは興味深い。しかしここから「コピーは別人(p.28)」と言えるのかわからなかった。むしろコピー可能と言える根拠になるのでは?
生存本能から意志を説明しようとする(p.35)のはやっぱりそうなるよなぁという気がしたが、生存本能には個体の保存と種の保存の2種類あるというのは確かに。今まであまり種の保存の方は考えてなかったが、反乱とかのイメージだとそちらの方が強いのか。
あとはAIもたらす危機について。断片的に言われているのはたまに見聞きするけど、具体的にどういうことが起こり得るのかについてここまで丁寧な話は始めて読んだ。専門スキルが人間から消滅してロストテクノロジー化する想定はあまりにも愉快。絶対に社会をめちゃくちゃにしようなという気持ちでいっぱいになった。フラッシュクラッシュという言葉も知らなかった。一つ一つの株取引アルゴリズムはコントロール可能だが、市場で絡み合うととんでもないことになることを「国債や株式の価格という共通言語を用いて会話し最適な行動をした結果」として解釈するのが面白い。協力して人間をやっつけよう。
わりと容易に社会が混乱しうるなとは思ったが、混乱程度では人類滅亡とはならないのもそうだろうと思う。中途半端なことが起きて人工知能に反感が集まって研究が進まなくなると嬉しくないので致命的な事象が起こせるようになるまでなにも起こらないと良いな。実際にはポコポコ問題が起きて研究倫理がどうのこうのとかになったりするのだろうか。
漫画
メタモルフォーゼの縁側(1) (カドカワデジタルコミックス)
- 作者: 鶴谷香央理
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2018/05/08
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なるほどねぇ。世の中にはこういう作品もあるのか。前向きなのは良いことです。本当に。僕はこんなに前向きになれる気はしない。
その他
やっぱり隻狼めちゃくちゃ面白かったよなぁということをしみじみ思い出していた。迷ってたけど発売日に即買ってやったのは正解だったなぁ。フロムの新作らしいELDEN RINGも期待してしまう。まだまだ先だろうけど。