日記

日記です

20190429

 うえお久光ヴィークルエンド』を読んだ。

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 2年以上空けたのは初めてのことなのか。8回目でも明確に面白かった。やはり僕が読んだ中では、少なくともライトノベルでは、一番好きだと思う。月夜の語りシーンは本当に素晴らしいし、ここで多重解決的な演出をしてみせるのがたまらない。進歩史観的な世界語りで止まっても僕は好きな作品に含めただろうに、そこから転換して個人的な話に帰着し、さらにもう一つツイストを加えて本質的な絶望を描き出すことに成功した時点でこの作品は圧倒的だ。

 ヴィークルエンドの見出した問いの構造が僕は好きでこの作品を評価しているところがあるわけだけど、今回は答えの方も、まぁなかなか悪くないのではないかと感じた。やはりある意味での心身二元論からの脱却なのだよな。VehicleとRiderという二項対立を乗り越えていかなければならない。しかしそれが単なる「開き直り」になると快楽主義との差がなくなってしまいそうで、いや快楽主義が悪いのかどうかも自明ではないけれど、単なる快楽主義ではありたくないというそれもなんとかして考えに含めたいという気持ちはある。

 好きな作品としてスパイラル、ヴィークルエンド、ハーモニーを並べてみると、「自己決定性」みたいなテーマから統一した見方ができるのかもしれない。まぁヴィークルエンドとハーモニーはSFとしてくくれるので、SFではこういった問題がテーマになりやすいとは思う。スパイラルも、サイエンティフィックでこそないがシンボル的な役割を登場させてそういう部分に踏み込ませている。スパイラルとハーモニーは少し物悲しい終わり方ではあって、その方がテーマには相応しいとは思うけど、ヴィークルエンドの終わり方もありだろう。

その他

 テストとかも同じだけど直前になるとやる気が失せる。そういえば僕はそういう性格の人間だった。

 どうすればいいかよくわからんな。なんとかしていかなければ。